相続税申告で宅地を評価していますと、
正方形とか長方形とか、きっちり90°の土地は
意外と少なく、
本当に半数以上が不整形な宅地という印象です。
従って、不整形地の評価方法に精通することは
とても重要と言えます。
例えば、10%でも不整形地補正率を適用できれば、
それだけ相続税が安くなるわけです。
前回までに単発で不整形地の評価方法を紹介
しましたが、
今回、不整形地評価の全体像をお話しいたします。
1、財産評価基本通達が規定している4つの評価方法、
まず、不整形地の評価方法の全体像を把握するために
<財産評価基本通達>に規定されている4つの評価方法
をしっかり頭に入れておく必要があります。
<財評基本通達>は次の(1)~(4)までのいずれかの
方法により評価した整形地の価額に<不整形地補正率>
を乗じて計算した価額により評価する、と規定しています。
(1)、区分して計算する方法、
(2)、平均的な奥行距離を求めて計算する方法、
(3)、近似整形地に修正する方法、
(4)、中抜き方式
上記のいずれかの方法により<奥行価格補正>から
<三方又は四方路線影響加算>までの定めによって
計算した価額に<不整形地補正率>を乗じるわけです。
重要!
2つの重要な点を挙げますと、
1、上の4つの方法で、
何を計算するかというと、
整形地としての価額を計算します。
そして、計算された価額を基に、<不整形地補正率>を乗じて
相続税評価額を算出します。
2、次に重要なことは、
4つの方法の内、一番有利な方法を選択できる、
ということです。
この宅地はこの方法でなければならないということは
ありません。
大分、観念的な言葉の羅列で、よくわからないでしょうが、
次回から、実際の図と数字を挙げて説明します。