税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

限度面積の最適化!<小規模宅地等の特例>

今回は限度面積の最適化についてお話します。
 

小規模宅地等の特例には3つの特例(事業用と
同族会社事業用は事業用とします)があり、

特例対象宅地等が複数ある時はどの宅地を
採用したら良いか迷います。

相続の本には、路線価の一番高い宅地を
選びなさい等と書かれていますが、

いちがいに路線価の高い方が有利と言うほど
単純な話ではありません。

次のような場合はどうでしょうか?
 

事業用宅地

地積 1㎡当たり
      相続税評価額  評価額
400㎡×300千円 = 120,000千円

減額金額
120,000千円×80%=96,000千円
 

貸付事業用宅地

地積 1㎡当たりの
       相続税評価額 評価額
200㎡×400千円 = 80,000千円

減額金額
80,000千円×50%=40,000千円

共に限度額一杯です。
 
路線価は低くても事業用の400㎡を選択した
方が圧倒的に有利です。
 
優先順位を計算して決める必要があります

何故、優先順位を選択必要があるのか、
 
第1の理由は
 
上の例にもあるような路線価の高い低いが
あるからです。
 
第2の理由は
 
つぎのような限度面積の制限があるからです。

事業用は、400㎡
居住用は、240㎡
貸付事業用は、200㎡

第3の理由は

減額率が、80%と50%と違うからです

これらの組み合わせ次第で、必ずしも
路線価の高い方が良いとは限らないこと
になります。

では、どうすれば良いか?
次の方法で優先順位を決めます。

限度面積までの減額金額を計算して、
金額の多い方から優先順位を付けます

例を出して計算してみましょう。

例、

事業用、
地積    評価額
160㎡  40,000千円

居住用、
地積    評価額
120㎡  30,000千円

貸付事業用、
地積    評価額
200㎡  70,000千円
 
上記の例を限度面積までの減額金額を
計算すると、
 
事業用
40,000/160×80%×400=80,000--①
居住用
30,000/120×80%×240=48,000--②
貸付事業用
70,000/200×50%×200=35,000--③
 
金額の多い方から順位を付けると、
事業用、居住用、貸付事業用の順になります。

限度面積の上限は400㎡ですから、

限度面積要件の判定の算式で計算します。

事業用 居住用 貸付事業用  
 160+120×5/3+X×2=400㎡を上限

400-160-120=100

貸付事業用は100の半分、
Xは50㎡となります。