税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

総資本圧縮 その2 貸倒損失

 知識はあっても痛い目を見ないと身に着かないのでしょうか。

 まだ、税理士になりたての頃、お客様から
「この売掛先はもう3年も取引がないし、100%回収不能
です」
 と言われて、全額、貸倒損失で計上したところ、その後の税務
調査で、1円の備忘価額が差し引かれていないからという理由で
全額否認されたことがあります。
 
 100%回収不能と言うお客様の言葉に惑わされて法律を忘れた
結果でした。

 さて、貸倒れとして経費処理できる場合は大きく分けて次にの
3つです。

 1、債権を切り捨てた場合の貸倒れ

    これは
    _饉匚浩庫,箴λ,瞭段明沙察¬瓜?得庫,竜定
     に基づいて切り捨てられた金額
    ∈銚⊆埆顕颪侶萃蠅農擇蠎里討蕕譴振盂
    債務者の債務超過の状態が相当期間継続し、回収の見込が
     ない場合に、書面により通知した債務免除額

 2、事実上の貸倒れ

    債務者の資産状況、支払能力などからみて、債権の全額が
   明らかになったとき。例えば、
    〆銚⊆圓了猖粥⊆鷺、行方不明
    ∈通劃恐瓩料蠹?鉸屬侶兮魁∋?蛤撞の見込がないとき
    E刑匯?痢経済事情の急変などの発生

 3、形式基準による貸倒れ

    次の事実があった場合、備忘価額を差し引いた残額を貸倒れ
   処理できる。
    〆通骸圓箸亮莪悊鯆篁澆靴動文紕映以上を経過した場合
    同一地域の債務者について有する債権の総額が取立て
   旅費にも満たない場合。

    この場合、くれぐれも1円の備忘価額を差し引くのを忘れない
   ようにして下さい(笑)

 
 貸倒れ処理できるものを売掛債権に残しておくことは売掛債権の
過大計上であり、税の過払いに通じます。見落としなく、速やかに
総資本からカットすべきです。