税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

荒利益と人件費との関係!

 このテーマについて大事な項目を4つ挙げます。

 1、人件費の変動費
 2、一人あたり限界利益と人件費との関係
 3、平均的な一人あたり限界利益
 4、すべての人が必要限界利益を挙げる必要はない

1、人件費の変動費

 まず、一番重要なことは「人件費の変動費化」です。
 限界利益が上がれば人件費も上がり、限界利益が下がれば
人件費も下がる、

 という、人件費の変動費化をどの企業も採用すべきだと
思います。
 
 そうしないと、この不況で明日をも知れない時代を
乗り切ってはいけない、ということです。

 これが一番大事。

 昔は固定給制で定期昇給という制度が戦後からバブル崩壊
までの50年近い間続きました。

 しかし、今、この不況にそんな制度を採用していたら、
荒利益の総額は下がる一方なのに人件費だけが固定的に
毎年昇給して、たちまち倒産です。

2、一人あたり限界利益と人件費との関係

 限界利益と人件費との関係は折半が基本である、と私は
常々考えています。

 しかし、何回もお話しますように、給与水準というものが
あります。

 限界利益が低いからといって、世間相場の半分くらいしか
給与を支給できない、では困ります。

 ですから、少なくとも、世間相場並みに支給するためには
それだけの限界利益が必要です。

3、平均的な一人当たり限界利益

 それでは、現在の世の中で、一人当たりの限界利益はどのくらい
になっているのでしょうか。

 大体、一人当たり750万円、は必要のようです。この金額で
半分とすると、人件費は375万円です。

 900万円を超えると人件費が450万円、1000万円で
500万円です。

 私どものお客様でも1000万円を超える会社はそんなに多く
ありません。

4、全ての人がその限界利益を稼ぐ必要はない

 最後に、では、すべての人が平均的な限界利益を稼ぐ必要が
あるのかという話ですが、そんなことはありません。あくまで平均です。

 一人で1000万円稼いでいる人がいたとします。

 一人でやってますから、コピー取りや文房具の買い物、切手や
印紙を買ったり、電話の応対をしたり、仕事以外の雑用まで全部
やって大忙しです。

 しかし、これらの雑用をやってくれる人がいて、本業に専念できたら
限界利益は1900万円に増えました、とします。

 この場合、一人平均の限界利益は950万円に下がりましたが、
利益の総額は増えています。

 仕事というものは、作業内容を分解し、自分でなくては出来ない
仕事以外の仕事は他の人に任せて利益の総額を増やすことが大事
で、補助の人も立派に仕事をこなしているわけです。

 一人あたり平均的限界利益とはそういう意味です。