税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

会計

今、何故、キャッシュフロー計算書が必要なのか!

近年、とみにキャッシュフロー計算書の重要性が叫ばれて います。 私もお客様に対する財務諸表の説明の中でも、特に重視 しています。 何故、キャッシュフロー計算書を重視するのでしょうか? 色々な本にも書いてありますが、1990年にバブルが 弾けて事…

お客様は財務諸表で何を知りたいか!

経理担当者や会計事務所員は財務諸表を、作成する 目で見ています。 それは当然の話です。 財務諸表の作成でミスをすれば、色々な方々に迷惑 をかけるし、又、自分や会社の信用にかかわるからです。 しかし、お客様に説明する時、つい、お客様が何を 知りた…

会社は誰のものか、と問われれば?

「 会社は株主のもの」と、会計学上は答えざる を得ないでしょう。 何故なら、会計学は「会社は株主のもの」という 前提で色々な理論が成り立っている、と思うから です。 株主の出資した資本金があって、その資本を使って 投資し、売上を上げ、利益を上げて…

シュマーレンバッハの「費用動態論」は古いか?

昔、私が会計学を勉強した昭和40年代は、シュマーレンバッハ の「費用動態論」が一世を風靡していました。 即ち、期間損益計算を正しく行う為に、今期の費用ではない 費用は資産として貸借対照表に計上するというものです。 資産は次期以降の費用予備群と…

直接原価計算の損益計算書

私の事務所はTKCという計算センターの団体に所属していて、 ここでは経営資料を直接原価計算の様式で行っています。 工業簿記の2級で勉強したあれです。 費用を変動費と固定費に分類します。 直接原価計算の損益計算書を示すと次の通りです。 損益計算書(…

個人事業のキャッシュ・フロー計算書

会社法の制定により、キャッシュ・フロー計算書が財務諸表に 新たに加えられたけれど、キャッシュ・フロー計算書は大企業 だけの為にあるわけではありません。 中小企業にも個人事業主にも必要です。 本当に健全な経営、財産作りを目指すなら、P/L,B/S…

事業主貸勘定の中身!

事業主貸は法人で言えば「役員報酬」に当たります。 しかし、経費にはなりません。 個人事業では所謂、生活費の集合体です。 経費にならない全てのものがここに積みこまれています。 中身をぶちまけると、<パンドラの箱>をひっくり返した ように、色々なも…

「事業主貸」勘定とは何か?

事業主貸、事業主借が明確に区分されておらず、どちらでも いいんじゃないかと考えている人、は意外に多いと思いますよ。 私の見解は明快です。 法人税法22条に記載されている資本等取引、損益取引が これに当たると考えています。 事業主借勘定は資本等取…

「事業主借」勘定とは何か?

先週、事業主貸、事業主借勘定を年の始めに0円にすることは 重要、と書きました。 それではまず、事業主借a/cとはそも何かを説明します。 色々な本には、事業主借とは、事業が事業主からお金を借りること だから、一種の負債である等と解説されています。 …

年の始めに事業主貸、借勘定を元入金勘定に必ず振替えること!

1、 年末に決算を終了すると、個人事業のB・Sは次のようになって いる筈です。 平成20年12月31日現在 資産の部 負債・資本の部 事業主貸 3,800,000 事業主借 580,000 元入金 5,600,000 青色控除前 の所得金額 4,500,…

流動比率はどこまで信用できるか?

中小企業の経営分析として、今まで、主に、P/Lについて 説明してきました。 利益がなければ資金はじり貧になるからです。 利益があってのB/Sです。 B/Sも大切です。ないがしろにしているわけではありません。 特に大切なのが資金の流動性でしょう。 赤字…

「役員借入金」の本当の意味!

同族会社役員の役員報酬は税金対策用であり、仮の 金額であると、先週のブログで書きました。 経常利益を0円として、役員報酬で全て取ったら、会社は 利益を永久に留保出来ません。 設定した役員報酬を全部使ってはいけません。その 役員報酬の中には会社の…

中小企業の「役員報酬」の決め方教えます。

通常の企業は限界利益を100として、人件費50% 経費35%、利益15%に配分する、と今まで何回も 書きました。 基本のP/Lのスタイルは次のようです。 メンバー5人、経営者夫妻、社員3名 一人当たり 売上 200,000千円 40,000 限界利益 …

総資本回転率 1回転、自己資本回転率 20回転!

経営分析の本を開くと、最初に必ず出てくる代表的な指標に 総資本利益率があります。 経常利益/総資本=総資本利益率 要するに、投下した資本にいくらの利益が上がったかという ことです。 投資用マンションを1億円で買ったけれど、この実質利益が 500万…

見栄と欲望が経費を膨らます!

昔、さる人を紹介されて、財務諸表を見て驚きました。 所得が数百万円しかないのに、1500万円のBMWが、しかも、 借入金で購入されています。 買う方もも買う方ですが、売る方も売る方です。 その人は数年経たず内に倒産して夜逃げしました。 見栄と欲望…

地代家賃を何日で稼ぎ出すか!

経費は総額で限界利益の35%以内に収める、と 先日、書きました。 その内、家賃、減価償却費、リース、交際費、保険料等 で経費総額の80%を占めるとも話しました。 従って、細かい経費を節約するより、上記に挙げた経費を 管理するほうが余程効率が良い…

経費は限界利益の35%以内に収める!

通常の営業をしている限り、私のお客様を見ていても、経費は 限界利益の35%以内に収まっています。 35%を越えて経費が膨らんでいる場合は次の ようなケースが考えられます。 1,限界利益が少なすぎる。 2,見栄を張って、高級車を買ってしまう。 3…

P/Lの経営指標は1人当りに直して見ると更に鮮明になる!

上に掲げた表は昨日の「機械器具小売業」の1人当り の経営指標です。 表の数字を年間の数値に直すと次のようになります。 表の数字に12を乗じただけです。 全企業平均 黒字中位平均 優良機企業平均 売上 26,736千円 24,012千円 34,212千円 限界利益 7,188…

荒利益に占める経費の割合を考える! その2

上に掲げた機械器具小売業の全企業平均の変動損益計算書 を見て内容をどのように判断しますか? 経常利益が赤字になっているから、どこか悪いところが あるのは明白です。 もう一度、簡略化した数値を書いて見ましょう。 売上 185,554千円 変動費 1…

荒利益に占める経費の割合を考える!

荒利益を100とした場合の各項目の割合は 人件費 50% 経費 30% 利益 20% を理想とすると何回も書きました。 しかし、現実は理想とかけ離れたものです。 上に機械器具小売業の変動損益計算書を掲げて みました。 優良企業平均の数字は次の通りです…

荒利益と人件費との関係!

このテーマについて大事な項目を4つ挙げます。 1、人件費の変動費化 2、一人あたり限界利益と人件費との関係 3、平均的な一人あたり限界利益 4、すべての人が必要限界利益を挙げる必要はない 1、人件費の変動費化 まず、一番重要なことは「人件費の変…

荒利益高の、人件費、経費、利益への配分。

荒利益高を100として、 人件費 50% 経費 30% 利益 20% を、私は理想的な配分と考えています。 経営分析の本には人件費の%は低ければ低い 程良い等と書かれたものもあります。 しかし、何回もお話しますように経営はバランス です。 給与水準の…

荒利益高は、総金額と一人当たり金額と、2つに分けて考える。

会社の総経費を賄う為に必要な総荒利益高がない と、その会社は赤字に陥ります。 従って、経費総額を超えて荒利益高があれば一応合格 ということでしょうか。 しかし、経営はバランスですから、実際は多方面から 考える必要があります。 主なものを列挙しま…

中小企業の経営分析 荒利益高は重要!

「損益計算書で一番重要な項目は何だと思いますか?」 「それは売上高に決まってるじゃないですか」 「残念でしたーーーー。荒利益高が一番重要なんです」 「え?---」 「経費が1千万円かかる会社があるとして、売上が1億円 あっても荒利益高が0円なら…

荒利益率を悪化させる原因

私たちが事業を行う上で重要なことは、 如何に利益を上げるか! 如何に安全な財務を築いていくか! でしょう。 その中でもまず大切なのは収益です。 利益が上がらない経営はじりじりと財務を悪く していきます。 そして、その収益の中でも一番重要なのが 荒…

中小企業の経営分析 製造業、建設業では荒利率は使わない!

荒利益率は中小企業では主に小売業の為にあります。 製造業、建設業では余り問題にされません。 何故でしょうか? その理由は正確な原価計算が出来ないからです。 製造業の売上原価の算式は、 期首製品+当期製品製造原価ー期末製品=売上原価 、当期製品製…

リース買い?現金買い?どちらが有利!

お客様からよく質問されるのが、この、リース買い 現金買い、どちらが有利、という質問です。 普通なら現金で買った方が有利な筈です。 しかし、リースに限って、一概に言えない所があります。 両者を比較してみましょう。 比較する項目は3つです。 金利 償…

リース取引か?購入か?どちらが有利か?

現金で購入か、借入金又はリースの購入かで考え方が違って きます。 現金が沢山あるのにわざわざ利息のかかるリース取引にする 必要はないでしょう。 現金買いが一番です。 借入金の枠があまりない会社はリース取引を利用することに よって、運転資金の借入…

自己資本の大きさを誇るのは上場企業の話です。

内部留保が大きいということは、それだけ税金を払った ということです。 何故なら、内部留保金は税金を払った残りの累積だから です。 それは節税の失敗ということです。 自慢になりません。 会計ソフトは一律に自己資本比率を出してきますが、 もし、それを…

「キャッシュフロー計算書」はサラリーマンでも必要です。

サラリーマンでもこの営業キャッシュフローを捉えられないで ギャンブルにのめり込み、サラ金の借入を膨らませている人が多い ようです。 給料から税金、社会保険料、生活費を引いて「営業キャッシュフロー」 がいくらになるかをしっかり把握し、その中から…