税務会計三直線

税務、会計、経営について主に書いていきます。

税法

損益通算の出来る損失、出来ない損失!

だんだん、確定申告の時期が近付いてきました。 そこで今回は、所得税の損益通算についてお話します。 何故、損益通算という制度が必要なのでしょうか? 法人は益金から損金を引いて所得を算出し、 税率を乗じて税金を計算するだけです。 しかし、個人所得は…

類似業種比準価額の見直し!

次の3つの見直しがありました。 1、類似業種の株価について、 「課税時期の属する月以前2年間の平均株価」を追加、 2、単体決算ーーーー連結決算への変更、 3、比準割合の比重変更 配当金額、利益金額、簿価純資産価額の比重につき、 、 現行の1:3:…

会社規模の判定基準の見直し(非上場株式)

遅ればせばがら、平成29年度に<取引相場のない株式等の評価> に大きな改正が2つありました。 1、会社規模の判定基準の見直し等 2、類似業種比準方式の見直し の2つです。 今回は、1の、(会社規模の判定基準の見直し等)を紹介します。 この改正は…

サラリーマンの自家用車売却益は課税されるか?

1、サラリーマン等の生活用車両の売却益は原則、非課税です。 その税法根拠は、所得税法第9条1項九、です。 次のように書かれています。 所得税法第9条1項 次に掲げる所得については所得税を課さない。 九、自己又はその配偶者その他の親族が生活の用に…

ノーベル賞の賞金は課税されるか?

2018年ノーベル賞医学生理学賞には、京都大学特別教授 の本庶祐氏に贈られることに決まりました。 本庶祐教授、おめでとうございます! これにより日本のノーべル賞受賞者は計27人となり、 2000年以降の自然科学分野に限ると、米国に続き 2位を記…

「家なき子」適用要件の見直し!

平成30年度税制改正も所得税、法人税、相続税、消費税と多岐にわたって 行われましたが、 相続税について、主なものは、 新「事業承継税制」の創設、 一般社団法人等に関する相続税・贈与税の見直し、 小規模宅地等の特例の見直し、 等がありました。 小規…

その2、原則の原則、老人ホーム入居中に亡くなった場合、

前回で掲げた3つの要件は、 被相続人が老人ホーム入居中の状態において、 被相続人が生活の拠点を老人ホームに移したわけではなく、あくまで、 自宅にあることを証明するためのものです。 というのは、 特例の適用要件の大前提は、 被相続人の居住の用に供…

被相続人が老人ホーム入居中に亡くなった場合、その1、原則

この問題については以前、平成25年の改正で、 平成26年1月1日以後の相続等に付き、 1、被相続人に対する介護が必要なため、老人ホームに入所していた、 2、老人ホーム入居後に、貸付け等の用に供していない事、 以上の2点の要件を満たす場合に特例…

セルフメディケーション税制の創設!

1、セルフメディケーション税制なるものが創設され、 平成29年分の確定申告から適用される事になりました。 2、控除される金額は、 年中の支払金額ー補填された金額=差引金額 差引金額ー12,000円=控除額(最高88,000円) 3,通常の医療費…

具体的な、控除される医療費は何か?

1、 控除医療費の額の計算式は次の通りです。 年中の 補填された 10万円又は 支払医療費-保険金等 -総所得金額等の5%=控除医療費 どちらか少ない方 2、医療費とならないもの、 施行令に列挙された医療費は少し抽象的で分かりにくい ですね。 例えば…

通常の「医療費控除」 3つのポイント!

通常の「医療費控除」 通常の医療費控除とは面白い表現ですが、セルフメディケーション税制 が創設されたために、従来からの「医療費控除」をそのように呼ぶ ことにします。 ポイントは3つです。 1、自己又は自己と生計を一にするその他の親族に係る医療費…

「医療費控除」は領収書が提出不要となりました。

「医療費控除」は領収書が提出不要となりました。 1、 但し、医療費の明細書を作成し提出します。 又、今まではダメだった 「医療保険者から交付を受けた医療費通知書」 を添付すると、明細の記入を省略することができます。 (注)平成29年から平成31…

通勤手当等の非課税限度額の引き上げ!

いよいよ、今週から確定申告が始まります。 遅ればせながら、所得税の改正を取り上げてみたいと思います。 1、通勤手当等の非課税限度額の引き上げ、 適用 28。1。1以後 2、特定一般医療品等購入費への医療費控除の特例創設、 適用 29。1。1から3…

相続税延納の利子税が0.8%!驚きの安さ!

今年、延納申請した案件の利子税が0.8%という事で驚きました。 以前、と言っても10年以上も前ですが、6%を超えていた 記憶があります。 但し、0.8%は不動産等の割合が75%を超え、 延納期間が20年、 を選択した場合の利子税、ですがーーー。…

結婚・子育て資金の一括贈与の非課税!3年内贈与加算適用外の三羽ガラス!

前々回のブログで、 「3年内贈与財産の相続税加算」の適用外の贈与として、 ①、住宅取得等資金の贈与、非課税限度額1500万円 ②、教育資金の一括贈与、非課税限度額 1500万円、 ③、結婚・子育て資金の一括贈与、非課税限度額1000万円、 以上の贈…

安易に使ってはいけない「贈与税の配偶者控除」

今回は、相続税と贈与税の関係、その2 として、「贈与税の配偶者控除」のメリット、デメリットをお話します。少し過激なタイトルですが、上記のタイトルの、理由は、節税上のメリットが全くない場合が多い、からです。ご存じのように、「配偶者の贈与税控除…

相続編、個人が土地を法人に貸した場合の課税関係!

個人が土地を法人に貸した場合の課税関係を、 法人の場合、個人の場合について書いてきました。 簡単に結論だけお話しますと、 個人の場合は、所得税法において課税関係はなく、 法人の場合も「無償返還届出書」を提出すれば、 認定課税は行われないというこ…

個人編!個人が土地を法人に貸した場合の課税関係!

個人が同族会社に対して土地を無償で貸した場合、 「無償返還届出書」を提出すれば、法人に対する 借地権の認定課税は行われない事を前回、説明しました。 では、貸した個人においてはどのような課税関係が 生じるのでしょうか? 個人が土地を法人に貸した場…

法人編!個人が土地を法人に貸す場合の課税関係!

今まで、使用貸借について説明してきましたが、 使用貸借の取扱いは相手が法人の場合は 適用がありません。 例えば、次のような場合はどうなるでしょうか? 山本一郎個人所有の土地の上に、山本一郎が代表者を している法人、(株)味よし食堂が建物を建てて…

建物・リフォーム代の相続税評価

平成25年11月1日に、リフォーム代金の相続税評価に対する「質疑応答事例集」が国税庁から出され、リフォーム代金は相続財産に計上する旨をはっきり 明言しました。 相続税評価基準においては。家屋の評価は、その家屋の固定資産税評価額に一定の倍率を…

「使用貸借」敷地の上の建物等を相続又は贈与で取得した場合!

今回、紹介するのは「通達4」、です。 父親所有の土地を長男が使用貸借で借り受け、建物を 建てました。 長男が先に死亡した場合、 居住用家屋なら、自用家屋として評価し、 貸家なら、貸家の評価とする、 算式は、 自用家屋 固定資産税評価額×1.0=自用…

「使用貸借」敷地が<貸家建付地>になる例外!

使用貸借において、敷地が自用地評価になる理由は、 土地の使用貸借はその無償性の故に借地借家法の適用は ないとされ、従って、土地の使用権の価額は零として扱い、贈与税 の課税関係はない、その結果、土地の所有者に相続税の 開始があった場合、相続税は…

「使用貸借」敷地は原則、自用地評価!

前回、相続税個別通達のタイトルだけ7つ紹介しました。 今回から内容の紹介です。 通達1、 この項においてのポイントを挙げると、次のようになります。 1、借地権の契約に際し、権利金を支払う慣行のある地域に おいても、使用貸借に係る使用権の価値は、…

「使用貸借」相続税及び贈与税の取扱い!

前回は、使用貸借の民法上の定義を紹介しました。 今回は、相続税・贈与税の取扱いについてのお話です。 土地の無償使用は、相続税法第9条のみなす贈与規定によって、 贈与税の課税対象となる筈です。 しかし、現在は、使用貸借に係る使用権の価額は零 とし…

使用貸借とは?民法上の定義!

税法上、宅地建物の説明をしている時、頻々に出てくる用語が、 「使用貸借」「賃貸借」「相当の地代」「借地権」「底地」 といったものです。 周知の事実として何気なく使っていますが、明快に定義する必要 があると考えます。 、 税法でも、所得税法と相続…

「特定居住用宅地等」における家屋の所有者、の意義!

特定居住用等における家屋の所有者については、 措置法69条の4の本文にも政令にも家屋についての 記述は見当たりませんが、 基本通達69-4-7 において、家屋の所有者が解説されています。 通達全文を下に参照として掲げましたので読んで 頂くとして…

「特定路線価」の側方路線影響加算は行わない!

今回はちょっとした事ですが、憶えておくと便利という お話を致します。 通り抜け出来ない私道には「特定路線価」を申請します。 下図のような場合です。 路線価 250C 特 A 定D 路 線 B 価E 200 千円 C 私F 道 この場合、付された「特定路線価」2…

残業食事代の税務上の扱い!

結論を言うと、残業時の食事代は個人事業主の必要経費、 法人の損金になり、従業員に課税されることはありません。 過日、昼食代の扱いについて書きましたので、今回は 残業時の食事代に絞って説明します。 昼食代については、従業員が半分以上負担するとか…

相続後、売却した自宅は3000万円控除があるか?

過日、相続人から次のような質問を受けました。 「母が故郷で一人で住んでいた自宅を、相続したけれど、 私は東京に持ち家があるので不要となり売却しました。 母が亡くなって3年以内に売却すれば、3000万円 控除の適用はあるんですよね?」 この質問は…

節税効果、ほとんどない!「相続時精算課税制度」

私はこの制度の適用には極めて慎重です。理由は、 節税効果がほとんどないからです。 1、贈与税の暦年課税なら、110万円を4回贈与 すれば、440万円の財産が相続財産から外れるが、 この制度で2500万円使って非課税と言っても 相続時は2500万…